映画もデジタルカメラで撮る時代ですが、参考までにフィルムカメラのムーブメントを紹介します。


535Bのプルダウンムーブメント
(フィルムスレッディング時)
アリフレックス系のムーブメントは極めてシンプルです

↑ Arriflex 535B + Carl Zeiss Planar 85mm T=1.4
 

PANAFLEX Millennium のプルダウン機構→

レジピン(レジストレーション・ピン)でフィルムを固定し、
掻き落とし爪(プルダウン・クロー)でフィルムを送る。

パナフレックスのカメラは世界中で長らく使われたミッチェルNC(なんと本番時はレフレックスではありませんでした)同様のムーブメントを採用しています。



プルダウン精度をテストするチャート(フィルム用)
上図のように35mmカメラっていうのは露光時は静止→シャッター通過時はプルダウン、という動作を繰り返す訳です。
つまり振動の塊なので、静止状態(露光時)でいかにフィルムを静止させられるかが、カメラの性能ということになります。
画が静止していないと当然シャープに見えません。機械精度や人に手による整備が大きく影響するところです。
で、クランクイン前のカメラテストで、私はカメラぶれのテストとかやってました。

★ 一分程度の端尺を用意してスレッディング、先頭のコマにアパーチャー側から印を付けます。
★ センターを合わせ標準レンズで撮影、ダブルエクスポージャーするので露光を半分に控えます。
★ 暗室やチェンジバッグでフィルムを巻き戻し、印を付けたコマを合わせてスレッディング。
★ チャートをひっくり返してセンターを合わせ二重露光。現像→映写で縦ぶれ、横ぶれを確認。

まさにアナログの世界ですね。助手のうちはこうしたテスト以外にファインダーなぞ覗けはしません。
このような技術テストを繰り返すうちに撮影することを覚えるわけです。


 

 
ダブルエクスポージャー後の映写イメージ

映写したとき、センター付近の図形の重なり具合で、そのカメラの
上下ブレ、左右ブレが判るようになっている。

撮影助手の頃、フランス人のチーフアシスタント・カメラマン(フォーカスプラー)が自国から持参したチャートが珍しいものだったので写させてもらった。その後、映画の仕事が入った時は多少アレンジして手書きで作成していたが、今はPCで簡単に作成できるようになった。当時日本ではこういったチャートでカメラのブレを総合的にテストすることはあまり行われていなかったように思う。パナフレックスなどのミッチェル系のムーブメントはこういったテストでもやはり安定しており、当時のアリフレックスBLなどは多少精度が低かった。もちろんフィルムのパーフォレーション精度やカメラの振動なども影響するため、三脚・ヘッドを含めたトータルなものだと考えた方がいいと思う。現在のフィルムカメラではトラブル時以外は不必要なチャートの一種だろう。
   

シャッターとアパーチャー及びムーブメントとの関係
35mmフィルムカメラを触ったことのない人には解りにくい図ですね。
物理シャッターとブルダウン機構の存在がフィルムカメラのすべてといっていいかもしれません。
最近ビデオカメラでも採用が進むPLマウントは52mmという長いフランジバックを持ちますが、
これは斜めに取り付けられたシャッターの物理的な大きさが要因となっています。
物理シャッターを使わないカメラには新たなマウント設計が必要かと思います。当然規格はオープンで。



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