この記事を記述してからすでに5年が経とうとしています。ちょうど東日本大震災の頃で
また余震が来るのではとの不安を感じながらテストしていた覚えがあります。
現在は一眼系ビデオ機材も出そろい、スチルカメラに頼ることも少なくなっています。
またここで挙げた問題点は一部解消されつつありますので
2011年当時の技術アーカイブとしてご参照いただければと思います。(2016年3月追記)

2017年8月追記:
4Kでも60P撮影可能な機材も増えてきて、シャッタースピードの説明には『フレームレート』よりも『フィールド周波数』や『システム周波数』を使ったほうが好ましいように思えてきました。プログレッシブの時代に『フィールド周波数』という概念はとても古いので、不明な方はググってみてください。そしてビデオ映像の成り立ちを理解してもらえれば嬉しいです。インターレースという技術は目立たなくなりましたが、まださまざまな部分に使われ生き伸びています。
また通常のビデオカメラに関しては『フィールド周波数』を『システム周波数』と読み替えてもいいかもしれません。
道具の進歩によって、近い将来『フィールド周波数』という言葉は死語になるでしょう。が、ビデオ撮影を職業にするならば、言葉の意味を知っておくことは大切かと思います。
(下図のシネカメラというのは、一眼系の24Pシネマモードや物理的な回転シャッターを持つビデオカメラも含まれます)
基本は上図の考え方でいいのではないかと思います。富士川以北で明滅を伴う照明を使う場合は、通常のビデオカメラは今までと変わらず1/100となります。あとは電源周波数・リフレッシュレートやハイスピードレシオなどを考慮して決定します。なお、一眼動画では1/50に設定できるものが多いですので活用するようにしてください。

2011年当時のオリジナル本文はここから:

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WEBに結構面白い事が書いてあった

一眼ムービーで 30Pの場合、シャッタースピードはフレームレートに合わせて 1/30 がいい。とか書いてある。
えっ、 これでいくと24Pの時は、どうすんの? ひょっとして1/24。
(私のカメラ(60D)は動画モードで1/30以下には設定出来ないので実際にユーザーが1/24にすることはないと思いますが)
DSLRを使う人って、シネカメラのボケ脚やフレームレート、シャッタースピードをシミュレートして、映画的雰囲気を楽しみたいんだよね。そうでなければ、あらたな映像の創出ということですね。一眼ムービーには、その可能性はあります。
前者の映画的雰囲気のあるムービーを作りたい人は基礎的な技術論として読んでください。
でも後者の人はココに書いてあることは役に立たないので読み飛ばして感性を磨くほうがいいです。

一眼ムービーのシャッタースピードで悩む若者のブログをたまたま見つけました。
一眼ムービーが最初の動画機だとしたらシャッタースピードの選択肢が多いので悩むのも当然ですね。。
キヤノンの取説にも動画の場合は1/30から1/125程度のシャッタースピードを使用すると良い、
と書いてありますね。
だから 30P=1/30でもかまわないというWEB幻想が生まれるんだね。
でも1/30は35mm映画やビデオでもスローシャッターの範囲だよ。間違ってはいないとおもうけど常用するのはオススメ出来ませんね。
WEBにはこの辺りの正確な情報があまりないよね。

この悩める若者は様々なシャッタースピードを自分で試して、その撮影結果から1/50-1/100程度が一番自然に見えるという
結論を導き出している。スローシャッターや高速シャッターの特性も掴んだようだ。偉いね。

こうしたことは解っていて当たり前にこなしている人と、良く判らんという人と二極化していると思う。
もし、あなたが映画指向の人だったら、シャッタースピードの導き方も、まずフィルム映画風に考えるとイイヨ。

参考イラスト:ムービーフィルムカメラのプルダウンとシャッター機構
(シャッターとアパーチャー及びムーブメントとの関係)

そうそう、そうだったよね。
映画の撮影助手なら
一週間目で覚えさせられる公式だよね。

シネカメラはシャッターが円盤形なので、360とか角度とかが出てきます。シネカメラではシャッターが一回転(360度)する時間内で露光時間とフィルムを次の一コマに送る時間が必要です。

ビデオでも一部の業務機は開角度による指定ができるよね。

172.8度や144度は蛍光灯及びHMIなどの電源周波数で明滅する照明やTV画面と同期するために用いられるよね。関東では映像の中にTV画面がなければ172.8度を常用ということになります。

昔の撮影はタングステンライトがほとんどだったのでフリッカーはなく、180度以外はあまり必要でなかったのですね。

← 現行の35mmシネカメラの一部。
後は、ほとんどが180度からの設定
あまり広くするとミラーの面積が少なくなってしまってカメラマンが見づらくなるよね。

← ビデオでは1/100とかあまり不自然に感じませんがフィルム上映の場合は以外に早くパラパラ感がくるような気がします。定常光下での視聴と暗い試写室との違いからくる感覚の差でしょうか。

マウント側からみると、こんなことになっているシネカメラ。 もちろんレフレックスミラーの半分近くはボディに隠れています。ミラーシャッターがフィルムにかかっている時間を利用して次の一コマにフィルムを送ります。(フィルムのプルダウン)

ビデオや一眼ムービーにはこんなシャッターはないので、全てが電子式のシャッターとなります。ただし映画用の電子ムービーカメラは回転シャッターを持つことがあります。

映画で大事なのは、(写真的には相当遅い)約1/50というシャッタースピードからくる映像の流れが生み出す空気感なのです。

コマ数やシャッタースピードを上げれば、また違った空気感が表れるのを映画人は知っています。特殊効果としてよくやります。狙いとして通常とは異なるシャッタースピードで撮影された映画も時折あります。

映画は1/48から始まったんだね。
映写も一コマの途中に一回シャッターを入れるので(2枚羽根)24×2 = 秒48回の明滅ですね。秒16コマのサイレント時代は一コマに二回映写シャッターを入れていたようなので(3枚羽根) 16×3 で、やはり明滅は48回です。ここら辺りがフリッカーを感じさせない映写の限界値となるようです。(8mm映写機は通常3枚羽根を持ち18×3で54回)
実は映像がスクリーンに映っている時間は案外短いんです。

 


ドラマなどでは特別なシーン以外ではシャッタースピードはほぼ固定。
実際には絞りもワンシーンでほぼ同一に設定するので、正しい露出を得るために明るさをNDフィルターで調整しています。

今はビデオ時代ですので1/50-1/125までは許容範囲かもしれません。絞りと同様シーンごと統一させた方がいいですね。

早いシャッターを切るのは高速度で動く動体を撮影する時。これにも公式があったりしますよ。
特殊なモノとして液晶モニターなんかがありますが、これはまた違うアプローチを行います。


現在の撮像版感度を考慮すると、アイリスを絞り過ぎずに動画の基本的なシャッタースピードを維持するために、一眼動画での外付けNDフィルターは必須アイテムです。
1/2は感度調整で補うとしても、1/4、1/8、1/16のNDがあればF=4あたりをターゲットにできると思います。

現代は照明光源の多様化が進んでいます。そのためHMI、蛍光灯などの光源によって起こるフリッカーは、シャッタースピードの調整によって避けるようにします。(今では意識しなくても自動的に同期してくれるビデオカメラもありますが)

ビデオ系の機材では、シャッタースピードの基本は、各地の電源周波数と同じか、その倍の値をとって明滅周波数の影響が出ないようにするのがいいと思います。
(50Hz地域では1/50と1/100、60Hz地域では1/60と1/120が基本的なところになりますね。ビデオカメラでは1/60以下にはできないものがあるので、50Hz地域では1/100として光源によるフリッカーを避けています)

2014/12/01 加筆

フィルム映画の撮影機ではコマ数を上げれば見かけ上のシャッタースピードも上がります。ハイスピード撮影ってヤツですね。この場合は5倍で1/250程度になります。速度のある動体にはちょうどいいですね。またコマ数を下げると見かけ上のシャッタースピードも下がります。低速度時(コマ落とし撮影)は画が流れやすくなるので通常のシャッタースピードを得られるようにシャッター開角度の調整をしたりします。

ビデオはフレームレートとシャッタースピードは別物です。フレームレートに引きずられることはありませんし、フレームレートの数字に合わせる必要もありません。バリアブル・フレームレート(VFR)を駆使する場合は、適切にシャッタースピードを調整しないとならないですね。あと室内では電源周波数との関係を適切に保つ方がいいですね。富士川で分かれる東と西では少し異なりますがファインダーやモニターでフリッカーが見えるから大丈夫でしょう。

道具が異なるため旧態論だけを押すのはやめておきます。普通に見えればいいだけのことですから。

また、新しい時代の感覚論もあるでしょう。 それは認めないとね。

映画の生み出す情緒感というのは、この緩いシャッタースピードと秒24コマという遅いレートがかなり貢献していると思うのですね。

撮像板の時代でも  フィルム映画の情緒、忘れないでほしいな。

最後に
一眼の大判CMOSって、やはり動体歪みがひどいよね。24Pで撮ってるとかなり目立つよ。
コストからすれば無理なことはいえないんだけど、出てくる画がいいだけにね。惜しい。
おしまい。
2011/3
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