趣味のBM-800改良
(P48時のノイズ低減)
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BM-800を試してみる

イギリスのOMさんや日本のShinさんの改造記事から国内外で人気となったBM-800というECMマイク。
「無線と実験(MJ)」誌の2016年8月号でも取り上げられたこともあって、HAM諸氏の間で話題になっていました。
 
私も昨年(2016年)から気になっていたのですが、AMAZONの激安チャイナマイクはどうなんだろう。買っても仕事につかえないかなー。(当然!)と思い、手を出さずにいました。ただ持っているマイクがガンマイクやピンマイクばかりでBM-800のような「サイドアドレス型」はAKGの旧型C3000B意外手にしたことはなく、興味はありました。C3000Bも一度使って手放してしまったのでサイドアドレスの知識は全くないといってもいい状態です。
いろいろ記事を読みうちに、サイドアドレス型の構造を勉強するには最適で、改造して壊しても惜しい値段ではないということがわかり、ついポチってしまいました。一式2,280円(送料込)でした。

ま、仕事にはツカえなくとも、趣味の録音で使う手はあります。割り切ることにします。



参考にしたサイトは以下の通りです。(大変勉強になりました。感謝いたします)

ShinさんのPA工作室
Amazonの超激安コンデンサマイクが高級機に変身する改造(言わずと知れたマイク改造・マイクロフォンクラフトの第一人者) JA1SLX
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12115618790.html

Ayumi's Lab.
エレクトレット・コンデンサ・マイクBM-800の改良
(この方は真空管アンプの第一人者でオーディオ回路設計の専門家です。Shinさんの記事を参考に改造の効果を定量的に示されています)
http://ayumi.cava.jp/audio/BM-800/BM-800.html

ANALOG AGES JA6AQO
中華マイクBM-800の改造と活用
(佐賀のOMさんです。QSO用のマイクとしてご使用になっているようです。PDFドキュメントは知見と実践に満ちたもので、とても参考になります)
http://www6.plala.or.jp/tyata/index.htm?page=http://www6.plala.or.jp/tyata/tec/31.htm

g4izh.co.uk   The BM-800 Condenser Microphone  Conversion for Amateur Radio Use
(UKのOMさんです。無線用にアレンジされています。参考まで。TNX. G4IZH and G8DLA
http://www.g4izh.co.uk/BM-800-microphone-mods.html

Modding a BM-800 Mic (BM-800の回路を参考にカプセル入替や新規回路を組んでいます。参考まで)
http://audioimprov.com/AudioImprov/Mics/Entries/2015/12/20_Modding_a_BM-800_Mic.html

 
BM-800はファンタム48V(以下、P48)とプラグインパワーに対応する不思議(合理的?)なマイクです。
付属するプラグインパワー対応のケーブル結線は以下の通りでした。
アンバランスのモノラル結線ですね。マイクでは普通やらない禁断の結線ですが、ライン受けの機材ではこのようなケーブルを作ることもあります。プラグインパワーの電圧は2番ピンに重畳されます。こうしたケーブルはいろいろと制約があるので他の用途には使用しないほうが賢明です。Tip,Ring間に抵抗は入っていないようです。あとキャノン側のケースはグランドに落とされています。

なお付属されるマイクサスペンションのネジは5/8インチ(シュアーネジ)なので、そのままでは日本で主流の3/8インチネジ(AKG)のマイクスタンドに装着できません。ネジ変換アダプターが必要です。私のには同梱されていなかったです。

P48かPlug in Powerか
BM-800はプラグインパワーに対応するためにバランス出力が逆相になっているようです。となると両方の接続形態を活かすには、キャノン接続時にはリバースケーブルを繋げば解決しますね。まずはP48のマイクとして検討します。
P48の場合、どの方も改造の基礎となる部分は同じで、まずBM-800の「簡易レギュレータ」部分のノイズ低減が第一の課題となっているようです。
ツェナーダイオードのアバランシェノイズですね。聴感で確かめてみましょう。PCサイドのミキサーはベリのQX1002USBです。普段ミキサーというよりは、USBオーディオインターフェイスとして使っています。確認用のヘッドフォンは10年物の900STです。
まずP48をONでケーブル開放、ミキサーのマイク入力トリムを12時、チャンネルボリュームを14時、メインボリュームを0ポジションにしてマイクアンプのノイズを聴きます。(このミキサーは入力トリムを目いっぱい上げてしまうとノイズがひどいですので12時としました)

(以下、FFT波形はefuさんのWaveSpectra
 ミキサーのみ
あたりまえですが静かです。ヘッドフォンボリューム上げていってもあまり聞こえません。400Hz、20KHzあたりが少し持ち上がっていますね。まあ民生機なのでこんなもんでしょう。そもそもボリュームを上げても、この20Kが聞こえるのは若い人だけです。私には無縁です。PCの上に置いているのでそうした影響もあるかもしれません。以下録音ボリューム等の位置を変えずテストしています。
次に新品のBM-800のノイズを聴いてみることにします。(音源のレベルはそのままですのでかなり再生ボリュームを上げないと聞こえないです)
 P48 オリジナル
おお、ノイズが大きいですね。さすがにこれでは録音にツカエません。ツェナー自体の質もダメなのかもしれません。
低域の持ち上がりはテスト環境によるものの可能性があります。

リファレンス
参考までにいつも仕事に使っているMKH-416(RFバイアス・コンデンサーマイク)を同条件で録ってみました。
SENNHEISER  MKH416-P48U3
(ライコートの懸架式サスに吊って大きな風防に入れてあります。その状態で毛布をかぶせました)
 MKH416-P48
まあ、そうだよね、といった納得のノイズレベル。
次はSENNHEISER  MKH416-TU3 (Tonader AB-12V、RFコンデンサー方式)
AB12(T-power)仕様のMKH416で、自作のP48 to T12アダプターをかませて電圧変換しています。(内部に12Vツェナーあり)
ボイス領域はアマチュア無線機から供給される8V程度の電圧でもなんとか動作するので、愛用されているOMさんもいるようです。
 MKH416-T12(こちらはむき出し+毛布で遮音)
P48タイプと視聴比較すると、低域が豊かですネ。今まで並べて視聴したことがなかったのですがP48よりAB12タイプを好むサウンドミキサーさんがいるのが頷けます。
もう一つのガンは非常用のカメラマイク、ソニーECM-670です。P48タイプですがECMで、MKH416に比べ約8dBほど感度が低いです。ノイズレベルは業務用カメラに付属するガンマイクよりは良好ですが、416と比べるとENG用途には最低限の性能とクオリティかもしれません。低音は最初からカットされてますので416に比べると聴感上もスカスカです。
 SONY ECM-670
最後に、SANKEN COS-11 (NHKニュースのアナウンサーが着けているピンマイクです。無指向性ピンマイクにメーカー純正P48アダプター。アダプター込みだとMKH416に比べ約12dB(4倍)感度が低いですが、常に胸元に装着しますのでオンマイク専用と考えれば理にかなっているかもしれません。専用アダプターはP48を5Vまで降圧しCOS-11に供給しています。基本は3線式で5Vの電源ラインを持ったアンバランスのマイクです)
 SANKEN  COS-11
SANKENのCOS-11はごく小型のラべリアマイクですがボイス領域の音質は大変優れています。またバイノーラル録音用のマイクとしても知られ使用例も多いようです。私は楽音等には使ったことがないのですが、無指向性マイクのセッティングに慣れた人なら良質な録音が可能かと思います。ノイズレベルは問題なし。
全般に低音域はテスト環境での暴れが、また最高音域はヘッドアンプの影響が見られますが、1KHz付近で-100dBのラインを下回るノイズレベルでなければシビアな録音用途には難しいと思います。
いずれも10年以上前のマイクですが(416の回路設計自体は40年以上前だと思います)、ENG業務に使われるマイクノイズはこの程度です。MKH416は映画・TV用途で使われるガンマイクです。TV番組等の宿命で低域はカットされることが多いですが、低音が魅力的なマイクです。
業務用のマイクと比べると、BM-800はノイズレベルが高すぎますね。私のはハズレでしょうか。

簡易レギュレーターの検討
BM-800の簡易レギュレーター部分は以下のようになっています。

仕組みからするとツェナーダイオードはファンタム9V-48V時のみ動作するようです。P48時、ツェナー端で9.05Vでした。以前バラしたコンデンサーマイクの中には、3端子レギュレータを使っているものもありました。

TASCAM DR-07の2.5V(無負荷で実測2.367V)プラグインパワーでは、基板入力2.011V、ツェナー端で1.218Vでした。したがってプラグインパワーを使用する場合はこのツェナーダイオードは動作していないと思います。ノイズに限ってはプラグインパワーが有利ですね。録音してみてもツェナーのノイズは確認できません。それにしてもニッケル水素電池程度の電圧で動作してしまうのはECMならではですね。そもそも、PCダイレクト用のマイクなんでしょう。

全体の回路図は上記URLをご参照ください。

JA6AQOさんは、「テレビでもよく目にするソニーのC38BはBM-800と同じような簡易レギュレーターを採用しているがツェナーのノイズで騒がれたことはない」とドキュメントに書かれています。C38Bは9V電池駆動も可能で、ヘッドアンプ部がトランスの向こう側にあるというところが違いますが、P48時のアンプ電源がツェナーから供給される仕組みは同じです。まずBM-800のツェナーダイオードそのものが悪いのか、はたまた回路設計がまずいのか比べてみました。そもそもC38Bは1971年の発売らしいので、もうすぐ半世紀の歴史を持つ古い設計のマイクです。しかしまだ現行商品なので録音スタジオにはおいてあるかもしれません。が、漫才や落語の高座で見た目になじむという理由以外で使われることはまずないと思います。どちらかといえば映像の見た目や雰囲気、耐久性やメンテナンス性に優れるということで長く使われているのでしょう。比較対象としては古すぎますがBM-800の到達目標としてはちょうどいいかもしれません。

ツェナーとコンデンサをつなぐ6.8Kの抵抗以外はほぼ同じですね。

回路図にあるとおりC38Bは9V電池で駆動できるのですが、P48よりも9V電池のほうが音はいいというサウンドエンジニアは多いです。これもツェナーのノイズが関係しているんでしょうか。

C38Bはいまでも結構な価格ですが、開発時はテープノイズから逃れられなかった時代のマイク、ということを考慮にいれたほうがいいです。当時としてはひじょうに優れたマイクだったようですが、現代は求められるS/N比が違います。
(C) SONY
BM-800はツェナーによるノイズを下げないとP48では使い物になりません。プラグインパワーで使うのならともかく、P48しか接続環境がないのなら回路をイジる必要があります。
私はJA6AQOさんのPDFドキュメントにあるように、まず電解コンデンサの容量を増やしてみることにしました。

電解コンデンサの換装
基板裏のこの2つですね。100μFあたりにしてみます。(まだHOT、COLDの入替前です)
回路設計の専門家によると、ツェナーダイオードのノイズはいくら大容量のバイパスコンデンサーを使っても無意味だそうです。このことはさまざまなドキュメントに示されていて常識らしいです。そのためShinさんはツェナーを速攻で排除。抵抗に置き換えて所定の電圧を得るという方向で進めています。この抵抗に置き換える方法は一番簡単なので最後の砦としてとっておいて、まずツェナーを活かす方向で考えてみます。このアバランシェノイズはツェナーを使う以上消えることはないというのが大方の専門家の意見ですが、音のエネルギーを目立たないところへ追いやることはできると思います。この考えは間違っているのでしょうか?やってみます。
私は素人なので測定器は持ち合わせておりません。そのため環境音の影響を受けないところにマイクを置き、毛布をかぶせるなどして遮音。残ったノイズを聴感で評価することにします。そのため低域は遮音の影響が出ているかもしれません。
 P48 オリジナルのノイズ
作業途中で22μFを外した音をとっておきましたので、生粋のアバランシェノイズをお楽しみください。
高域のノイズレベルが高いですね。
 左側コンデンサーなし
すごいノイズですね。100μFの電解コンデンサをつけてみます。一応、東信工業のオーディオ用電解です。
P48のカット用に持っていた63V100μFです。耐圧63Vなので少し大きいですね。本来ここは50Vでいいと思います。
この作業の時点で元からついてきたダミー基板は装着できなくなります。
 P48 オリジナル
 22μFから100μFに交換
お、ぐっと減りましたね。もう一個も交換です。
耐圧が違うので大きさが異なっていますが、どちらも100μFです。見た目には耐圧が揃ったほうがいいですね。手持ちのありあわせなので耐圧的には逆になってしまいましたが右の小さいほうが50V100μFです。
 2つのコンデンサ交換後
あまり先ほどと変わりません。やはりノイズにはツェナーに並列に入っている左側のコンデンサーが支配的なようです。でも右側の電解はファンタムが降圧された電源ラインですので、ここの強化はそれなりに意味があります。電解コンデンサの強化はここまで。
もう環境音や音声信号にノイズがマスクされる状態になっています。これ以上は望めないでしょう。

抵抗とコンデンサによるフィルター
JA6AQOさんのドキュメントではツェナーの先に普通のシリコンダイオードをつけるといい、とあります。これは効果がありそうです。ただ手持ちのパーツに普通のシリコンダイオードがありません。

またAyumi's Lab.では抵抗を足してフィルターを形成するとノイズ低減に役立つとの記述がありますので、今回はAyumi's Lab.の方針に従ってみることにしました。

このようにするようです。
で、やってみたんです。
  
繋げてみてから気づいたんですけど。回路図からパターンを追うと、なんと抵抗を挿入する位置が間違ってますね。一か所誤ってパターンをカットしてしまいました。でも、音は出る。
 P48オリジナル
 2つのコンデンサ換装後
 今回、間違った抵抗追加後
コンデンサを大容量にした時と変わらないようです。配線をやり直しですね

 ここまで、イジってきたうえで結論じみたことをいうと、BM-800は手をかければ大化けするというマイクではなさそうです。価格からいって当然ですね。回路的にはSCHOEPS Circuitとよばれるトランスレスのマイク回路をECMに対応させた回路らしいです。弦を録らせたら右に出るものはいないといわれる、あの憧れのショップスですね。
(ショップスの超単一指向性のカプセルとプリアンプの組み合わせは、最近欧米を中心に映像収録の世界でも使われ始めました。MKH416に比べてカプセルのスリット部分が短く、風防などを含めたトータル重量が軽いというのが主な理由です)

 ある程度の手間暇かければ5、6000円のマイクは超えるかもしれませんが、ダイアフラムユニット周りのつくりをみても一万円のマイクには音質的にかないそうもありません。そもそもマイクって原音が忠実に録れればいいってものじゃありませんから。他の音質的な魅力が必要です。

 私は業務用ビデオカメラを目視で評価し原稿を書くという仕事をたまにやりますが、ビデオカメラは撮れる映像に、マイクは録れる音に、耐久性を含めた価格が付けられているといっていいでしょう。ここ10年間の業務用ビデオカメラではコストを上回る性能を持ったものはありませんでした。もう少しいい画をという人にはシリーズ内で上位機種が用意され、映像の良しあしは(特にレンズとS/N比)お金で解決するのが半ば常識になっています。

 BM-800はコストパフォーマンスには優れますが、どうやらそれ以上ではなさそうです。BM-800に一番似合っているのは、さまざまな対策を施したうえで、PCやプラグインパワーで使う、ってことなのかな、と思います。プラグインパワーで使うには回路をイジる必要はあまりなく、マイク内部、本体の鳴き止めを施せば十分でしょう。そうしてこそこのBM-800のコスパの良さが引き出せると思いますね。

 私個人の経験はいうと、MAスタジオや録音スタジオででノイマンU87iの音を聴いたことがある程度なので音に関しては素人です。普段小さい振動板のガンマイクで収録しているため、U87iのラージダイアフラムは次元が違い魅力的でした。MAスタジオのナレブースや大きなモニタースピーカーという環境も優れているのですが、このマイクの前に立てば「誰でもナレーター」が務まるのではないかと錯覚しそうな音です。もちろんナレーターを務めるのはそう簡単なことではありません。声が魅力的なことに加え、発声やイントネーションの正確さ、作品内容への理解度、ひいてはその人のバックグランドに秘めた知性などが要求されることになります。マイクが良くなると人も演奏家も一定以上の水準が求められますネ。

 録音スタジオで楽曲の編曲者がこちらからは見えないギターブースの音を聴いて「このギターを録っているマイク、414?、もうちょっとウォームな低音がほしいので87に変えてくれませんか?」とミキサー氏とやり取りしているのをビデオ収録中に聞いて、なるほどその道の達人はマイクの型番まで言い当てるスゴイ耳を持っているんだなと感心したことがあります。やはり音を仕上げるというのはさまざまな音を聴いて、感性にマッチした機材をチョイスできなければなりませんネ。私のような駄耳では到底無理な芸当でありましょう。

 プロ用マイクは値段が違うといったらそれまでですが、良いマイクは良い個性を持っていると思います。このBM-800もそういった個性を生かす方向性で仕上げたほうがいい結果になるような気がします。
シコシコつなぎ替え、一部カットしたパターンを線材で復活、回路図にそって他のパターンをカットして、配線しました。

  
いろいろ修復したのでキタナクなってしまいました.でも各部の電圧は正しく出ています トランジスタのベースには9.02Vが供給されています
ノイズを聴いてみましょう.
 P48 オリジナル
 電解コンデンサ交換後
 正しく抵抗追加
おお、わずかですがエネルギー配分が変わりました。フィルター正解です。
定数は異なりますがC38Bも似たような回路構成になっています。
Ayumi's Labさんによると、この方法だとP48側に電圧変動があっても(つまりファンタム48Vを供給する機材やコンデションが変わっても)影響を受けないのでは、と述べておられます。

もう一つ、パスコン
JA6AQOさんはドキュメントの中で、さらにエミッタ側に47μFのパスコンを入れれば、この問題は解決すると書いてます。
ただJA6AQOさんの回路は新たに設計されたものなので、オリジナル(ってもう言えないか)のBM-800に通用するか不明です。
こういうことなのでしょうか?
ここまできたら、これもやってみることにします。また手持ちの電解なので耐圧63Vで、大きいです。
あれ、エミッタってどこだっけ?と考えながらの作業です。

結論から先にいうと、いい結果にはなりませんでした。これは私の実装技術が足りないのでしょう。そもそもパスコンの意味があまり解っていません。
ちなみにエミッタ側の電圧は理屈どおり8.37Vでした。
グランド側の逃がし方をもう少し検討しなければなりませんが、もうそろそろ基板をもてあそぶのはやめて、フィルター追加後の実績で良しとしましょう。
これはフィルター追加後の波形
こちらが47μFのパスコンをエミッタ側に入れた波形
明らかに中音域のノイズレベルが上がってしまいました。これはうまくいっていないです。

まとめとしてオリジナルからのノイズを並べてみます。
 P48 オリジナル
 コンデンサ交換後
 フィルター追加後
 47μパスコン追加後。失敗、残念。
 MKH416-T12(12Vツェナーを使った電圧変換アダプター使用)
という訳で、一聴してわかりますね。MKH416-Tを除外すると、コンデンサを100μFに交換してフィルターを追加したものが一番成績がいいです。
AYUMI Lab.さんの資料をみるとツェナーを抵抗に取り換えた場合のノイズ低減率は約5dBとなっているので、フィルター追加までの作業で同じような結果が得られています。
それにしてもノイズレベルは高いですね。生成電圧の低いツェナーを直列に使う手もあります。
(書いたもののやってみたら案外難しい。ノイズレベルが下がらず上手くいきませんでした)。
成績の良かったレギュレータ回路はこちら。実際は音声信号や環境音にマスクされるので、BM-800を録音スタジオで使うというおバカなことをしなければ、宅録などのオンマイク使用には耐えられると思います。

逆相とソースフォロワ
Shinさんの記事だと、ひずみ率、耐入力を高めるためにさらに初段をソースフォロワに改造しているわけですが、私の使い方ではそこまで必要なく、ゲインの高い今の状態で使っていこうかと思います。
個体差の問題なのかもしれませんが、私のBM-800はソース接地でもゲインはそれほど高いように感じませんでした。

AYUMI Lab.
さんの記述によるとそのゲイン差は12dB(4倍)だそうです。ソースフォロワだとその分のノイズフロアーは下がりますが、大きな音圧が必要なのでオンマイクで使うということになるでしょう。
オット、逆相出力を直すのを忘れてました。たぶん、これプラグインパワー用に逆相になっているようなのですけれど。
手持ちのENGミキサーは逆相チェックポジションがあるので(通常ENGミキサーにはついています)確かめてみると、Shinさんご指摘のとおりでした。

枠に囲まれたL+Rポジションが位相チェック用

ENGミキサーは未知のマイクやラインから音をもらうことがあるので、必ずこのチェックポジションがあります。通常現場でのミックスはなるべく避けて別チャンネルに入れるのであまり使うことはないんですが。
ま、現場で逆相が判ったところでリバースケーブルを持っていないとどうにもならないので、3chある入力のうち2つは自分の同相マイクでミックスして補うことが多いです。
チェック後、通常のポジションに戻すのを忘れ、現場で「音が変だ!」という笑えない失敗をすることもたまにあります。このポジションはモニター音がミックスされていますからね。
Shinさんのように耳で聞いただけで逆相が分かるなんてプロはやはりすごいですね。私はオフの音は判断できるけどが逆相マイクはミキサーに繋がないとわかりません。このマイク、オフの感じがダメすぎます。逆相だからかな。サイドアドレス型は位相に敏感で違いが出やすい、ということは考えられます。
リバースケーブルで聴いてみたところ確かにP48では正相に直したほうがいいです。フォーカスというか音の芯がはっきりして、特に低音に張りが出るような。比べると判りますね。逆相の違和感ってこういうことなのね、って理解できました。オフマイクのダメさ加減も多少改善しました。ただ正相にするとなぜかノイズレベルが上がってしまいました。
プラグインパワーの音と比較すると、やはりツェナーのノイズがP48時の品位を落としてるわけなんですね。やはりツェナーを抵抗に取り換え、P48専用にしてしまうのが一番スッキリするかもしれません。
でも私の場合、BM-800は仕事に使わないんで、しばらくはリバースケーブルで対応しておこうかなと思います。
プラグインパワーで使う分にはノイズの問題もないし。ポータブルレコーダー用の外部マイクとしては便利なんですね。今はまだその可能性を残しておくことにします。
あとは、各部鳴き止めを施して終了することにします。これが一番手間とお金がかかるかなー。
今回いろいろいじってみてサイドアドレス型マイクのクセみたいなものがよくわかりました。
単一指向性なのだけれど、裏側の音(特に低音)はペンシル型より良く拾ってしまうのですね。環境音が多いところでシビアに録ろうとすると、結構マイクセッティングに気を遣うかもしれません。
あとは指向特性などをイジれれば面白いでしょう。 結構楽しかったネ。
Shinさん、Ayumi Lab.さん、JA6AQOさん、他OMさんたち、ありがとうございました。

今回はここでオシマイ
 
追試しました(ツェナー換装)
2017年3月
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